海外に行けないこと、約4年…。ようやく、この夏、タイに戻ってきました。ほぼ仕事の打ち合わせや視察、そして研修だったのですが、本当に実りの多い滞在となりました。
さて、今回は約4年ぶりに飛行機に乗ったのですが、けっこういろいろと変わったところや「ん?」というところなどがあったので、これからタイに行く方のためにシェアしたいと思います。
今回利用したのは、タイ航空!子連れで旅をするようになってから、タイに行くときは、ほぼタイ航空にお世話になってきました。
ただ、コロナ禍でTGは経営破綻。その後復活したというものの、最近のレビューはめちゃくちゃ評判がよくない…こと知っていますか? 旅行会社勤務の友人に聞いてみても「あまり、おすすめはできない」って!
正直乗るまで不安でいっぱいだったのですが、そこのところも含めて、お伝えできればと思います。
久しぶりのタイ航空が、実際どうだったのか。タイ行きを検討中の方、タイ航空を選ぶかどうか迷っている方、ぜひ、最後までおつきあいください。
久しぶりのタイ航空、事前レビューでおびえたこと
実は、チケットを購入するまで、まったく事前レビューをチェックしていなかったんです。当たり前ですが、コロナ禍で海外に行くなんて考えられなかったから。そして、わたしの中でのタイ航空の記憶は、3年半前のもので止まっている。
まさか、こんなレビューがあったなんて…。
・サービスの質がさがった。これならLCCと変わらない。
・コロナでキャンセルになった分の返金がまだされていない(→これは、現在、順次返金される手続きに進んでいるようです)
・料理がおいしくない
・トイレが流れない
・フライトの遅延の連絡が遅すぎる
・フライトが遅延して、電車をのがしてしまった
「本当に、タイ航空ですか???」と疑いたくなるようなレビューを目にしました。
タイ航空といえば、以前は機内食がおいしいことで有名だったはず。それが「おいしくない」というのは、一体どうなってしまったのか。
さらに、これまで若い頃から何度もタイ航空を利用してきましたが、フライトの大きな遅延に遭遇したことはなかったので、LCCではありがちな遅延…というのも、これまた驚きました。
そして…、トイレが流れない。これは一体…? お一人のレビューではなかったので、おそらく機体によってトイレが故障しているのかなと思いましたが、それを直すお金もないのか!?
とにかく不安が募りました。
でも、長年のタイ生活でタイスタイルには慣れています。最後には「とんでくれさえすればいい」という胸中で、空港に向かいました。
実際に搭乗したタイ航空は、コレ!
わたしたちが搭乗したのは、
TG 661 羽田→バンコク 00:20発→04:50着
TG660 バンコク→羽田 13:00発→21:10着
です。
子どもが小さいときにはずっと朝便を利用していたので、タイ航空の深夜便ははじめてでした。
当初の予定では、夜ぐっすり寝て、朝からアクティブに動く!
というはずだったのですが…
この深夜便、ちょうど台風が日本に接近している時期だったので、ものすごく揺れ、まったく眠れず…。さらに若くもないので、体力が回復せず、翌日も1日ダルダル。だるさが抜けるのに、数日かかりました…。(ぜんぜんアクティブになんて動けず、大後悔)
わたしは、どうやらもう深夜便には乗れないようです。体力に自信がある方、どこでも寝ることができる方以外は、深夜便はきついかもしれません。
もしお子さんがまだ小さい場合には、間違いなく昼便をおすすめしますね。「夜ぐっすり眠る子だから」と思っていても、耳抜きができずに大泣きしたり、いつもと違う環境で興奮したり、子どもはかなり敏感です。
飛行機慣れしている子はいいかもしれませんが、慣れていない場合には、まずは昼便から!多少ぐずっても、周りも神経質にならないでしょうし、食べ物やおもちゃなどで遊んですごすことができるので、昼便がおすすめです。
帰りの午後便は、羽田に21~22時頃に到着するので、電車で移動する方はご注意を。万が一、遅延があった場合には帰る手段がたたれちゃうかもしれせん。我が家のように車で移動の場合には、渋滞もしない時間帯なので、けっこうおすすめです。
ちなみに事前レビューであった遅延もなく、定刻通りのフライトでした。
乗ってみて感じた、ここが違う!「ん?」の数々
では、実際に搭乗前、搭乗後に感じた「あれ?」の数々をご紹介したいと思います。ただ、ここに書くことはあくまでの私の感じたことです。他の方にとっては、それほど気にならないことがあるかもしれません。また、もしかしたら、たまたまわたしが搭乗したフライトにだけに、当てはまることもあるかもしれませんので、ご理解ください。
チェックインカウンターの混み具合と対応
2023年8月のお盆前に出発する便でしたが、羽田空港はけっこう混雑していました。渋滞&駐車場が心配で早めに空港に着いたので、チェックインまで時間をつぶし、チェックインカウンターが開くのを待ちました。
通常、フライトの3時間前に開くチェックインカウンターですが、ちょっと早めに開きました。カウンターが開いてすぐに並んだので、前に並んでいたのは5~6組のみ。みなさん、荷物が多めの方が多くて、15分くらいは待った気がします。
その後、ぞくぞくと後ろに列がのびていったので、早めにカウンターに並ぶことをおすすめします。
チェックインカウンターは、「カウンターでこれからチェックインする人」「事前にiチェックインをしている人」「ビジネスクラス」に分かれていました。事前にiチェックインしている場合には、荷物を預けチケットを発券してもらうだけなので、スムーズです。ビジネスクラスのカウンターがあいている場合には、そっちのカウンターでも対応してもらえます。
ちなみに、iチェックインはタイ航空の公式サイト、公式アプリからできます。フライト時刻の24時間前からチェックイン可能なので、便利です。
思っている以上にスムーズにチェックインでき、荷物をあずけることができましたが、カウンター数が以前に比べてかなり少なく感じました。それから、チェックインカウンターのスタッフがタイ人率が高かったように思います。外国人スタッフでも、日本語と英語が話せるので大丈夫かと思います。
それでなにか困ったことはなかったのですが、以前とはちょっと違うなぁと思いました。

ちょっと不安になるかもしれない機体
今回は、行きも帰りも、以前よりも小さな飛行機。座席が「2-4-2」でした。
出発日の少し前に、タイ航空とエバー航空の接触事故があったので、それもあって不安だったのですが…。機体を見て「大丈夫かな」と思ってしまいました。
機体に大きな傷が…。大空を何往復も飛んでいるから、傷のひとつやふたつはあって当たり前。でも、今回は操縦席前にかなり大きな傷がありました。ちょっと不安になりますよね。
そして、見るからに古い機体。さらに不安に…。事前レビューで「機体が新しい」と書いていた方がいたけれど、明らかに古い機体でした。機体は飛ぶ区間などにもよるんですね、きっと。
ただ結果、台風の中かなり揺れても、無事にバンコクまで到着したので、よかったです。また、帰りはまったく揺れもなく、快適なフライトでした。

仕方がないと思った座席
予定通り、搭乗手続きがはじまり、あっという間に離陸…かと思いきや、けっこう離陸まで時間がありました。
気になる座席ですが、こんなに狭かったかな~という印象です。そして、通路も狭い。通路側に座るとCAさんにあたってしまいそうになるので、ご注意を。

でも、モニターもついているし、ブランケットやイヤホンなどもあるし、さらにうれしい足置きは、そのままありました!
そして、この後、脅威の寒さとのたたかいになります。もともと機内での防寒対策はしてきたつもり。でも、今回の行きのフライトの寒さは尋常ではなかったです。長袖、靴下、パーカー+ブランケットでも寒かったです。もっと防寒対策が必要だったとは…。深夜便を使う方は、気をつけてくださいね。
帰りは、まったく寒くなかったので、たまたまだったのかな。
それから、衛生面では、かなり気になりました。座席の隅には、埃がたくさん。座席前のポケットには、前の乗客のゴミが…。日系の飛行機に乗り慣れている方には、気になる点がたくさんあるかもしれません。
事前レビューにあったトイレですが、ちゃんと流れていました。トイレにあるタイ航空の香水も、以前と同じようにいい香りがしました。ただすべてのトイレを使ったわけではないので、もしかしたらどこかの機体のどこかのトイレは故障中かもしれません…。
食事などのサービス
CAさんは、わりと年齢層の高い方が多かったです。仕事はてきぱき。ただ、以前のような優雅さはまったくありませんでした。
行きの深夜便は、離陸後に軽食+ペットボトルの水、到着前に食事+飲み物サービス。

帰りの午後便は、離陸後に食事+飲み物サービス、到着前に軽食+ペットボトルの水。

料理の味は、わたしは「おいしくない」とは感じませんでした。というか、どちらかといえば、おいしい!
行きの朝食は、お粥を選択。けっこうおいしかったです。帰りは、鶏肉のガパオライスかエビから選べて、エビを選択。おいしかったです!添えられていたものは、なぞのものが多かったような…。
飲み物サービスの回数は、とっても少なかったです。「はじめに配られたお水をのんでおいてね」という感じなのでしょうね。前だったら、消灯後もジュースやお茶を持って回ってきてくれたのに、それも皆無でした。こちらから、声をかければ持ってきてくれるんだと思います。
あと、子どもが小さかったころは、子どもにお菓子の入った缶バッグをプレゼントしてくれた時代もあったのですが、当たり前ですが、そういったものはいっさいなくなってしまいました。
再建中なのだから、仕方ないのかな。
【総評】以前のタイ航空との大きな違い
機体はやはり古かったです。掃除もきちんとされていませんでした。前の人がこぼしたコーヒーか何かの跡が残ったままで、自分で拭きました。
そして、狭い。コンパクトな機体だから仕方ないのですが、狭さを感じました。前の座席との間隔も、狭く感じました。
さらに、優雅なタイ航空から庶民的なタイ航空へ…。個人的に好きだったのは、以前は着陸前になるとCAさんたちがきれいな伝統服に着替えて、蘭の花を配ってくれていたこと。そのうち、蘭の配布はなくなりましたが、タイに着陸時に、優雅な微笑みで「コップンカー」とワイ(合掌)するイメージが頭から離れません。
でも、今回は、そのイメージとはかけ離れ、もはや同じ航空会社とは思えない変貌ぶりでした。離着陸時には陽気な音楽がかかり、CAさんから優雅さも消え、タイの国内線を使っているかのような気分。
タイらしいといえば、タイらしい。陽気なCAさんが、トイレ近くでこっそりつまみぐいしていたり…。目が合うと、にっこり!これはこれで、タイっぽい。
ただ、今までのタイ航空のイメージとは違う部分が多いので、新たなTGだと思って乗ることをおすすめします。
タイ航空を利用してよかった点
いろいろ「あれ?」と思う部分を書いてきましたが、「タイ航空でよかったな」という面もあるので、ご紹介しますね。
事前の座席指定が無料
事前の座席指定が無料なのは、本当にありがたい。特に家族連れや子連れの人にとって、座席は大事です。どこらへんに座りたいのか、自分で選べることは、旅への不安の解消につながります。また、はじめに予約した座席を途中で変更したい場合にも、空き状況を確認しながら変更できます。
早めに購入したら、預け荷物が30㎏だった
夏の航空券をかなり早めに購入したので、預け荷物が一人30㎏ついていました。その後プロモーションで出ていたチケットは、20㎏になっていたので、予約クラスによるのだと思います。
タイから大量に持ち帰ってくる我が家にとって、30㎏は本当にありがたい。しかも、スーツケースの数+αでも、重量オーバーしていなればOK。ここが、大きな魅力です。
タイオフィスの電話対応は感じがいい
実は、出発前にスーツケースの大きさを測ってみたら、規定サイズより大きかったんです。今まで使っていたスーツケースが壊れ、新しいものだったので、このサイズでも大丈夫なのか…と不安に。
タイ航空は直接タイのオフィスに連絡するしかないので、タイオフィスに連絡し聞いてみると、とっても親切に対応してくれました。電話がつながらないこともなかったのでよかったです。
ただ日本語対応ではないので、そこは不安な方もいるかもしれませんね。
iチェックインで楽々
事前にチェックインができるのは、楽。チェックインすると、搭乗券が表示されるので、印刷して持って行ってもいいし、メールに送付してもいいし、画像保存してもいい。
でも、実際に空港で「見せてください」と言われることはありませんでした。チェックインカウンターでは、パスポートを渡すだけで、ちゃんとした搭乗券が発券されました。
帰りも、事前にチェックインしておくと、行きに入力したパスポート情報などが自動で反映されていて、とても楽でした。一瞬でチェックインが終了しました。
スワンナプーム空港のチェックインは、待ち時間ゼロ
スワンナプーム空港では、セルフチェックインの機械をいくつかあって、そこにパスポートをかざして、預け荷物の数などを入力します。やり方がわからなくても、近くにいるスタッフが手伝ってくれるので、大丈夫。荷物の数が少ない人や人数が少ない場合には、荷物もセルフであずけます。
我が家は家族&荷物が多いため、スタッフによる重量確認が行われました。それも、ちゃんと案内してくれるので、まったく心配はいりません。
驚くことに、空港のカウンターでは待ち時間ゼロ!画期的なサービスです。

安全の説明映像がとってもわかりやすい
離陸前に機内で必ずある安全の説明。CAさんがお手本になって、「緊急事態のときはこうする」などの説明をしてくれるもの、ありますよね。
なんとあれが、映像になっていて…
これがものすごくわかりやすかったです!子どもでもわかるように工夫され、思わず見入ってしまいました。そして、なぜかしっかり頭に残る。これを考えた人、すごいなぁ。タイ航空に乗る機会があれば、ぜひ、安全の説明映像にご注目を!
この安全の説明映像は、「これぞ、タイ航空」というイメージでした。
総合評価は… 価格が安定すれば、また利用したい!
航空券の価格があがったり、さがったりしているので、なんともいえないですが、価格が安定していたら、また利用したいと思っています。
LCCとキャリアの中間といったイメージで利用するのがおすすめかな。食事も座席指定も預かり荷物もついている分、LCCよりはいいけれど、キャリアほどのサービスは望めない。
そんな位置でとらえて、あとは価格を見て決めるのがいいのかなぁと思いました。
今回乗った雰囲気では、今までの優雅なおもてなしとは違っていましたが、タイ好きとしてはタイ航空を応援したいなという気持ちです。
これから「タイに行こうかな」と思っている方や「タイ航空って大丈夫?」という方の参考にしていただけたら、うれしいです。
一時燃料チャージがさがりましたが、また上がるかもという噂も…。いつになったら、安く海外に行けるようになるのかな。
はやくタイと日本を気軽に行き来できるようになるといいなぁと願っています。タイ航空のレビュー、参考にしていただけたらうれしいです。